白糠町のふるさと納税返礼品であるお食事券で楽しめる、白糠食材をふんだんに使ったスペシャルコースを提供してきた「サンス・エ・サヴール」。この店が2026年10月30日から「ジャルダン・デ・サンス 東京」として生まれ変わり、新たなスタートを切ります。その直前の9月、同店の鈴木シェフが食材の産地である北海道白糠町を初めて訪れました。2日間にわたる滞在で、チーズ工房や牧場、畑、漁港、水産加工の現場を巡っています。

南仏・モンペリエに本店を構えるレストランと鈴木シェフ
「ジャルダン・デ・サンス」は、双子の兄弟ジャック&ローラン・プルセルが開業したレストランで、本店はフランス・モンペリエにあります。店名のジャルダンは「庭」、サンスは「五感」という意味です。地中海の光や風、季節の恵みをフランス料理の確かな技法で軽やかに表す兄弟の料理は「プルセル・キュイジーヌ」と呼ばれ、世界中の料理人に影響を与えてきました。鈴木孝徳シェフは1991年、静岡県出身です。2011年にひらまつへ入社し、「サンス・エ・サヴール」で副料理長を務めたのち、2024年に料理長に就任しました。プルセル兄弟の精神と哲学を踏襲しながら、日本全国の生産者から届く厳選食材を活かし、旬を大切にした繊細なフレンチを手がけています。

チーズ工房、羊の牧場、自然栽培の畑へ
鈴木シェフが長年食材として使ってきた酪恵舎のチーズ。その作り手である「白糠酪恵舎 チーズ工房」を、この日初めて訪れました。酪恵舎は25年前、白糠町の酪農家14戸と有志3名によって生まれた共同体的な工房。代表の井ノ口和良さんからは、「チーズは食べ物。おいしいこと・栄養があること・買いやすいことが大切」という哲学や、「今でも満足はしていない。毎日、もっと美味しくできると思っている」という言葉を直接聞きました。取締役事業部部長の及川由博さんの案内で、熱い蒸気に満ちた製造工場や、チーズの種類ごとに適温に保たれたひんやりとした熟成庫も見学しています。
また、「茶路めん羊牧場」も訪問し、35年前にたった35頭の羊とともに牧場経営を始めた“伝説の羊飼い”武藤浩史さんと面会しました。現在は800~900頭の羊が育ち、広々とした牧草地を自由に歩いて草を食んでいます。穀物の餌が主流のなか、ここでは放牧で主に草を与えて育てるスタイル。羊のふん尿や、羊毛製品に使えなかった羊毛を放牧地の堆肥にすることで、化学肥料を使わなくても大地が育つ循環が生まれています。鈴木シェフは道中で見かけた牛の放牧も含め、「まるで桁違い、スケールの違いに驚きました」と語りました。
フレンチに欠かせないじゃがいもの産地では、無農薬・無肥料で栽培に取り組む「もりもりふぁ~む」の成澤寛和さん、「田中農園」の田中詠悟さんを訪問。今年は豊作とのことで、収穫したてのじゃがいもを目にしました。鈴木シェフは「仕入れられる数量や時期は限られますが、その時期だけの限定メニューとして出すことも考えられますね」とコメント。田中農園では、10月以降に収穫を迎える無農薬・無肥料の大豆畑も見学しています。

早朝の漁港から水産加工の現場まで
朝6時の白糠漁港では、定置網漁の水揚げに立ち会いました。早朝3時に出航した漁船が戻り、獲れたての秋鮭が次々と水揚げされていきます。漁港の敷地内に2026年4月に新設された、白糠漁業協同組合直営の直売所では、ツブ貝や毛ガニ、柳だこなど地元の海産物も視察しました。
鈴木シェフがコースで長らく使ってきた「エンペラーサーモン」。その製造元である東和食品株式会社とは、発注などで日頃からやり取りをしてきましたが、実際に顔を合わせるのはこれが初めてとなりました。大きな魚体から獲れる、しっとりと脂のりの良い身質が特長のこのサーモン。調理はしていても刺身で食べたことはなかったという鈴木シェフは、用意された背側・腹側の食べ比べで刺身の味も確かめました。さらに「プルセル・キュイジーヌは、南仏・地中海発祥なので、食材としてタコも使いますよ」との言葉を受け、ヤナギダコで知られる「釧路丸水株式会社」へ。代表取締役の小山洋さんらと面会し、100℃以上の過熱水蒸気で一気に蒸し上げる独自製法「過熱水蒸気加工」で旨味と色合いを閉じ込めた「北海道旨味たこ」の紹介を受けました。
白糠町の新たな水産資源として注目されているのが「ブリ」です。定置網漁の漁師や漁協と連携し、船上放血・活締めした魚体5kg以上の白糠産ブリを「極寒ぶり®」としてブランド化。株式会社シラリカでは漬け丼の素やブリしゃぶに加工しています。代表取締役の黒田康平さんの案内で工場を見学し、地元の魚を鮮度を保ったまま地元で加工する体制について知る機会となりました。

訪問を通して鈴木シェフが感じたこと
訪問を終えた鈴木シェフは、白糠町について「自然がとても豊かで、海も山も近く、食材に恵まれた町」と表現。料理人は食材が届いてから仕事が始まり、それがどんな場所で、どんな人に育てられているかを知る機会は多くないと話します。生産者と直接言葉を交わしたことで、普段使っている食材への見方も少し変わったといい、今回の訪問を通して、食材の背景を知ることが料理の発想を広げることにもつながると感じたそうです。今後取り入れたい食材として、海の幸だけでなく、鹿肉や乳製品など白糠ならではの食材にも魅力を感じているとのこと。「このコースをきっかけに、白糠町という土地にも興味を持っていただけたら」と語っています。
「ジャルダン・デ・サンス 東京」の白糠町スペシャルメニューは、ふるさと納税のお食事券で楽しめます。鈴木シェフの白糠町来訪記の全文は、白糠町公式noteで公開中です。
- 店名:ジャルダン・デ・サンス 東京(2026年10月30日より「サンス・エ・サヴール」から生まれ変わり)
- メニュー:白糠町スペシャルメニュー
- 利用方法:白糠町ふるさと納税のお食事券で利用可能
出典:北海道白糠町


