「ドラゴンズ・ベースボールタウン構想」の統合的価値評価レポートが公開
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社と株式会社三菱UFJ銀行は、株式会社中日新聞社および株式会社中日ドラゴンズが2026年5月に表明したファーム拠点の移転先となる地方自治体の公募開始を受け、中日両社へのヒアリングを実施しました。その結果、新ファーム施設の開発が実現した場合に創出される統合的価値を予測するレポートが作成され、2026年9月17日に公開されました。
このレポートは、中日両社がファーム球場の移転を通じて目指す「単なる施設整備にとどまらない、地域の賑わいづくりやコミュニティー形成」が社会・経済へどのようなインパクトをもたらすのかを明らかにすることを目的としています。国内のスタジアムビジネス、ひいてはスポーツ産業全体のさらなる発展に向けた一助となることが期待されています。
統合的価値とは
新ファーム施設の開発が実現すると、経済的価値と社会的価値の両方が創出されると期待されており、本レポートではその両者を合わせた概念として「統合的価値」と定義されています。この統合的価値は、新ファーム施設周辺だけでなく、隣接する自治体やスポーツ産業をはじめとする産業全体へ広範囲に及ぶものと見込まれています。

期待される経済的価値
中日ドラゴンズのファーム施設は、スタジアム、グラウンド、選手寮などの球団関連施設だけでなく、誘致する自治体との協力関係のもと、地域住民やファンに開かれた施設づくりを目指しています。これにより、野球以外の目的で訪れる人を含めた地域の賑わいづくりやコミュニティー形成を推進することが予想されます。
このようなまちづくりと連動させた開発を行うことで、開業後10年間で約420億円の経済波及効果、約19億~31億円の税収増が想定されており、地域経済の活性化と財政基盤の強化に貢献することが期待されます。また、年間40万人前後の交流人口創出(うち野球目的15万人、非野球目的25万人)や、人口約9.5万人規模の自治体で1,500人前後の定住人口減少抑制が見込まれるとされています。

期待される社会的価値
まちづくりと連動させた開発を志向する「ドラゴンズ・ベースボールタウン構想」は、都市機能の充実や進化、生活・文化水準の向上等を通じて、野球ファンだけでなく、地域に暮らすあるいは活動するさまざまな人や企業に多面的な恩恵をもたらすことが期待されます。具体的には、健康の増進、都市機能の充実、交流・レクリエーション機会の多様化、子ども・学生の健全な成長などが挙げられています。
これらの効果を通じて地域への愛着や誇り(シビックプライド)が醸成され、地域の人口や経済基盤の維持・強化につながっていくという大きな社会的意義を含むものと言えるでしょう。

統合的価値を創出・最大化させるために
これらの経済的・社会的価値は、球団と自治体個々の取り組みに加え、同じ想い・目的に沿った両者の緊密な連携があって初めて体現されるものとされています。少子高齢化や都市機能の低下など、自治体が抱える多岐にわたる課題解決のために、「ドラゴンズ・ベースボールタウン」をどのように位置づけ、活用していくのか、その解像度を高めることが価値の創出・最大化のカギになると考えられます。
このレポートが、球団や誘致を検討されている自治体の構想を広げる、あるいは具体化する一助となることが期待されます。

レポートの入手方法
本レポートの全文は、以下のリンクよりご覧いただけます。
また、参考として北海道ボールパークFビレッジが地域にもたらす統合的価値を可視化したレポートも公開されています。

